家系図の作り方から家系調査の方法をプロが徹底解説
家系図は自分のルーツを知ることができるほか、自分の子孫への贈りものにもなります。しかし、家系図は知識がない状態で作成しようと思っても難しいうえに、素人では膨大な手間と時間がかかりかねません。
そこで今回は、家系図の作り方を詳細にご紹介します。これから家系図を作成したいと考えている方は、ぜひご一読ください。
家系図の作成について
家系図というと、自分の親や家族のつながりを線などで示しただけの図と思う方もいるのではないでしょうか。しかし、家系図は複雑で、作り始めようとしても数日~数か月でできるものではありません。
まずは家系図を作る目的を明確にし、家系図の作り方に関する知識を身に付けておきましょう。
家系図とは?
家系図とは、その家の名字を受け継ぐ系統(家系)を一目でわかりやすく図式化したものです。系図または系譜とも呼ばれ、家系には親子や兄弟姉妹といった血縁関係だけでなく、婚姻や養子縁組によって生まれた血のつながりがない関係も組み込まれます。
代々の先祖から祖父母、父母、子ども、孫というように古い世代から順番に書かれ、巻物や掛軸にして残すのが一般的です。
作成のメリット
家系図を作るメリットは、自分のルーツを知ることができる点と言えるでしょう。たとえば家系図を作ると、自分が知らなかった何世代も前の人たちや先祖とのつながりが確認できます。先祖が遠い土地の出身であった場合、その場所は自分にとってゆかりのある地だということがわかります。
また自分が現在生きているのは、先祖の存在があったからこそであり、祖父母や両親のありがたみを実感するきっかけにもなるでしょう。先祖のことを知れば知るほど、自分の存在についても知ることができ、新しい発見を得られるかもしれません。「自分のことを知りたい」という知的好奇心を満たせる点では、家系図を作成することは大変魅力的と言えます。
さらに、家系図は自分の子どもや孫といった後の世代にも継承できます。子どもや孫が家のことについて興味をもったとき、先祖までさかのぼって説明できることは家の存続に大きな意味を成すでしょう。
他にも、家系図を作成しておくと相続の際に役立ちます。血縁や婚姻、養子縁組などの関係が一覧で確認できるため、手続きがスムーズに行えるでしょう。家系図を作成する際に集めた戸籍謄本類は相続人調査を行ううえでも役立つことから、費用の負担が軽くなります。そのため、終活の一環として家系図作りを始める人も多いようです。
作成のデメリット
一方デメリットは、多くの手間と時間がかかることです。自分で調べるのにも限界があり、思うように進まなかったり長期的な作成になったりすると、途中で諦めてしまうケースも少なくありません。
また、家系図を作成する方法として専門業者に依頼するのも一つですが、業者の質によっては情報が少なく、満足のいく結果にならない場合があります。調査の内容やかかった時間、完成物のクオリティによっては費用が高くなることもあるため、口コミや実績を把握してから業者に依頼することをおすすめします。
家系譜と家系図の違い
家系図と似たものとして、家系譜があります。一部では同じものとして扱っている場合もありますが、厳密には異なるものです。基本的に名前を線で結んだだけで作られる家系図に対し、家系譜は1人の人物について生没年月日や病歴、受章などのさまざまな情報がまとめられています。特筆すべき事項があれば自由に書くことができ、家系図だけではわからない詳細な情報を得られる点が魅力と言えるでしょう。
ただし、家系譜は情報量が多くなると、家系図のように一覧にはできません。また、より詳細な情報を集めるには、相当な手間と時間が必要になります。
考え方・注意点
家系図を作成するのであれば、学術的研究の対象となるような家系に合流することを最終的な目標にしてみましょう。家系を追求すればするほど、先祖の出自について知れる可能性が高くなります。場合によっては、自分の家系が源氏・平氏・藤原氏・橘氏といった四大姓、天皇家に行き着くかもしれません。
しかし、家系図の作成には多くの時間がかかるため、余裕のあるスケジュールを組んで段取りをつけましょう。
また、家系図を作っていると、自分の知りたくなかった事実が判明する場合があります。事実に対して精神的ダメージを受けてしまう可能性があることも念頭に置いてください。
自分の家系を調べる方法
家系図を作成するには、まず自分の家系を調べる必要があります。複数の調査方法がありますが、それぞれ調べられる時代、専門性・難易度が異なります。したがって、どのような家系図を作るのか、何を目標にするのかを決めてから取りかかりましょう。
戸籍を調べる
戸籍を役所から取り寄せて家系を調べる方法は、家系図作りの王道です。現在の戸籍制度は明治時代に確立されたもので、古い戸籍が残っていればより精度の高い家系図が作れます。
文献調査
戸籍を使った調査を終えたら、文献調査を行いましょう。文献調査では、各地の図書館に所蔵されている資料を活用します。自分の家の姓や先祖の名前が書かれていないか調査して、家系のルーツをたどります。
現地調査
現地調査は、実際に先祖が暮らしていた土地を訪れ、本家分家や近隣住人、菩提寺などに聞き込みを行う方法です。ある程度自分の先祖、ゆかりのある土地について目途が立っていないと、調査の範囲や現地にある資料の量によっては、数か月を要する場合があります。
名字を調べる
私たちの名字は、先祖の出身地や身分、職業が由来となっていることがあります。名字を調べることで先祖や親族の居住地、起源をたどることができるでしょう。ただし、一般の人が名字を名乗るようになったのは、明治時代に「平民苗字必称義務令」が施行されてからのことであるため、それ以前の時代についてはたどれない可能性があります。
家紋を調べる
先祖の墓石などに彫られた家紋によって、同族関係がわかることもあります。家紋は平安時代に作られ、一般的に使われるようになったのは江戸時代からです。1つの家系で複数の家紋を使っている場合もあるため、名字調査と合わせて行う必要があります。
家系はどこまで調べられる?
戸籍では、さかのぼれても江戸時代末期までが限界でしょう。先ほども述べたように、現在私たちが戸籍と呼ぶのは明治時代の制度が始まりです。閲覧できる中で最も古いものは明治19年の戸籍になるため、当時に至るまでの出生・婚姻・養子縁組などの出来事をたどれば、江戸時代末期に生まれた先祖まで行き着ける可能性があります。
それ以前の家系を調べようとすると文献調査や聞き取り調査、現地調査が必要になり、時代が古くなるほど残存資料が少なく、信ぴょう性が低くなってしまうでしょう。ルーツを分析することでより深く調査できる場合もありますが、歴史についての専門的知識が必要なうえに憶測で進めざるを得ない部分も多く、明確な根拠や証明のもと家系を調べるのは困難と言えます。自分で家系を調べる場合は、どんなにさかのぼったとしても鎌倉・室町時代あたりまでが限度と考えておきましょう。
戸籍から家系を調べる方法
戸籍から家系を調査する場合は、取得する本人を起点に配偶者または直系尊属、直系卑属まで調べられます。ただし、調べていく中で直系の先祖と同じ戸籍に登録されていた傍系親族の存在を知ることもできるでしょう。
ここでは、戸籍から家系図を作成する際の手順や調査の注意点について解説します。
戸籍から家系図を作成する手順
戸籍から家系図を作成する場合には、「戸籍を取得する」「戸籍を読み込む」「家系図を書く」という3つの手順で進めます。江戸・明治時代の戸籍までさかのぼる場合は、この作業を繰り返すことになるため、根気強く行いましょう。
①戸籍を取得する
調べたい人の戸籍の謄本(戸籍全部事項証明書)を役所から取得しましょう。戸籍は住民票とは異なり、本籍のある自治体でのみ発行されるため、取得の際は必ず本籍地を確認してください。本籍地が不明な場合は、本籍地の記載がある住民票を取得することで把握できます。
また、戸籍は役所の窓口だけでなく、郵送でも取り寄せが可能です。古い戸籍を取得する際は本籍地が遠方になってしまうことも多いため、郵送による申請のほうがよいでしょう。郵送申請の場合は、本籍地を管轄する役所のホームページから請求書をダウンロードし、本人確認書類(運転免許証など)のコピー、切手付きの返信用封筒、交付手数料分の定額小為替を添えて申し込みます。戸籍の返信に要する日数は、7~10日ほどです。ただし、自分と年代が離れた先祖や本籍地が異なる先祖の戸籍を取り寄せる場合は、直系の親族であることを示す戸籍の写しが必要になります。
ちなみにすでに亡くなっている人の戸籍を取る場合は、戸籍謄本ではなく除籍謄本の申請を行います。また、法改正に伴い、旧様式となった改製原戸籍を取り寄せる場合もあるでしょう。古い戸籍になると市町村合併などで本籍地がすでになくなっていたり、名称が変わっていたりすることもあるため、インターネットで現在の自治体を調べる作業も必要になります。
②戸籍を読み込む
戸籍を取得できたら、記載されている内容を読み込んでいきましょう。最近の戸籍であれば問題ありませんが、古い戸籍の場合手書きで書かれているため、字の癖によっては読み解きが難解になります。年式ごとに読むポイントが異なり、誤字脱字がある可能性も少なくないため、年代の順を追って自分とのつながりを確認しながら行うことが大切です。なお、昭和23年式の一部と平成6年式の戸籍以外は、すべて手書きで書かれています。
③家系図の作成
戸籍の読み込みが終わったら、家系図の作成に取りかかります。家系図には決まった様式がなく、自由に作成することが可能です。ただし、一般的には婚姻や親子の関係を示す記号が用いられるため、統一することでわかりやすく見栄えのよい家系図が作れるでしょう。家系図に使われる主な記号やルールは以下の通りです。
- 婚姻関係は二重線で結び、夫を右、妻を左に書く
- 親と子は単線でつなぎ、右から年長順に書く
- 配偶者が複数いる場合もすべて二重線で結び、時系列の古い順に右から書く
家系図には縦型と横型の2タイプがありますが、多くの場合縦型で書かれています。縦型は上から世代順に書く場合に、横型は巻物にできるため大昔の先祖までを書く場合に便利です。ただし、横型は世代のつながりが読み取りづらく、一目で家系全体を把握することが困難であると言えるでしょう。
また、手書きの家系図には毛筆を使い、和紙にしたためるケースがほとんどですが、手書き以外にもExcelやアプリを活用して作る方法があります。家系図のフォーマットや作成キットもあるため、手軽に家系図を作成したい場合によいでしょう。
戸籍から調べるのは早いほうがいい?
戸籍には法令により決まった保存期間があり、現行の法律では150年間と定められていますが、2010年の法改正以前に閉鎖された除籍、改製原戸籍に関しては80年とされています。そのため、年代によっては廃棄される寸前であったり、すでに残っていなかったりする場合もあるでしょう。戦火や災害で消失している可能性や役場が誤って処分しているケースもゼロではないため、できれば早いうちに取っておくのが無難です。戸籍以外の情報を得る手段がない場合、廃棄されてしまえばその人物が存在していた事実が永久にわからなくなってしまうので注意しましょう。
ただし、保存期間が過ぎた戸籍でも残されている可能性もあります。戸籍の処分は自治体の判断によるため、80年を経過したらすぐに廃棄されるとは限りません。特に人口が少ない地方の自治体では、残っている確率が高いとされています。諦めずにまずは申請し、戸籍の取得を試みてみましょう。
文献調査で調べる方法
文献調査を行えば、明治時代以前の先祖についても調べることができます。文献調査は先祖の名前だけでなく生き様や当時の時代背景、ゆかりのある土地を解明できる点が魅力です。戸籍の調査でわかった先祖たちの名前に情報の肉付けをすることで、その家のストーリーが生まれ、より価値ある家系図を作り上げることができるでしょう。
文献調査で役立つ資料
文献調査による情報収集では、新聞や軍歴証明書、郷土誌、藩政史などが役立ちます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
<新聞>
新聞は江戸時代末期から普及している最も馴染み深い文献資料であり、紙面には当時の出来事が詳細に書かれています。活字で読みやすいため、調査する最初の文献におすすめです。
<軍歴証明書>
戦時中に先祖が徴兵されていた場合、軍歴証明書が役に立ちます。軍歴証明書は、所属していた軍隊・階級によって請求先が厚生労働省もしくは各都道府県に分かれるため、注意してください。軍歴証明書を取得することで、先祖やその兄弟が戦死していたことが判明する場合もあります。
<郷土誌>
郷土誌とは、市町村などの土地ごとに書かれた歴史書のような文献です。土地の歴史・地理・信仰・伝承・生活・産業などが記されており、全国どの土地でも編纂(へんさん)されています。郷土誌を読めば、先祖が暮らしていた環境や生活の様子を知ることが可能です。県立図書館などで手軽に読めるため、ぜひ文献調査の一つとして目を通しておきましょう。
<藩政史>
先祖が暮らしていた土地の歴史を知りたいのであれば郷土誌に加え、藩政史も調べてみましょう。藩とは、江戸時代から明治初期に置かれた大名の領地であり、藩政史を読むことで先祖の職業や生活を知る手がかりになることがあります。分限帳に先祖の名前が書かれていたら、その先祖が武士であることの証明にもなるでしょう。
文献調査では、この他にも宗門人別改帳や尊卑分脈(そんぴぶんみゃく)、姓氏家系大辞典といった資料が使われます。資料ごとに得られる情報と調べる視点が異なるため、家系図作成の目的に合ったものを選びましょう。場合によっては、自分の家に先祖の手がかりとなるような資料が残されている可能性もあるため、倉庫や納戸の中も確認しておくことがおすすめです。
文献調査で役立つ場所
文献調査を行う際には、図書館や資料館を活用するのがおすすめです。本家や自分の家のルーツが地方にある場合、県立図書館や市立図書館に行けば文献調査ができるでしょう。特に郷土誌に関しては、地方にある図書館のほうが充実しています。
より多くの資料から調べたいのであれば、東京都にある国立国会図書館の利用がおすすめです。国立国会図書館には、国内にあるほとんどの出版物が所蔵されており、蔵書数からすると日本で1番の図書館と言えるでしょう。ただし出版物が中心のため、古い文献や資料の数は他と比べて少なく、閉架となっていることがデメリットとして挙げられます。
また、都立中央図書館も文献の所蔵に特化しており、東京都だけでなく全国の郷土誌が誰でも自由に閲覧可能です。
文献調査のポイント
文献調査では膨大な文献や資料が調査の対象となるため、効率的に調べることが大切です。以下のポイントに沿って進めるようにしましょう。
<レファレンスの活用>
初めて自分の家系図を作成する方にとって、膨大な文献の中から、自分の家系に関するものを探し当てるのは非常にハードな作業です。そのため、文献調査ではレファレンスを活用していきましょう。
レファレンスとは、図書館などの職員が利用者の問い合わせに対して文献を検索し、返答してくれるサービスです。電話や郵送にも対応しているため、特に遠方に住んでいる方はレファレンスを積極的に活用するとよいでしょう。
<なるべく新しく翻訳された書籍を探す>
江戸時代以前の文献はくずし字で書かれていることがほとんどで、文字の解読が調査の障害となるケースも少なくありません。読みたい文献が歴史的に重要なものであった場合、研究者によって現代語に翻訳されていることもあるため、できる限り現代語訳化された書籍と併せて調査しましょう。
<デジタルアーカイブなら移動の手間なし>
近年、図書館や資料館ではデジタル化の動きが高まっており、歴史的に価値ある文献・資料もデジタルアーカイブによってWeb上に公開されています。デジタルアーカイブであれば図書館に出向かなくてもパソコンやタブレットで文献を閲覧できるため、ぜひ活用してみましょう。
現地調査で調べる方法
現地調査では、現地に訪れてから慌てないためにも念入りな準備と事前にアポイントメントを取ることが大切です。また、記録の保管作業も現地で行うため、必要なツールも用意しておきましょう。
調査前にやっておくべきこと
現地調査を行う際には、事前の下調べが非常に重要です。少なくとも現地の郷土誌には目を通しておき、歴史の概要を押さえておきましょう。そうすることで、情報の収集がスムーズに行えます。また、先祖の職業によって調査の対象となる場所が異なるため、ある程度知っておくことも大切です。分限帳や宗門人別改帳も読んでおくと、江戸時代の先祖についてより深く知ることができます。
現地調査に必要なもの
現地調査では聞き取り調査や文献調査を行うため、現地での記録に適したツールを用意する必要があります。筆記用具類以外にもカメラやボイスレコーダーを準備して、柔軟に対応できるようにしましょう。この他、くずし字を解読するための辞典や土地の地図、戸籍に関する資料・文献があると便利です。荷物がかさばり、調査に支障をきたす場合はタブレット端末などにデータを入れて持参すると身軽になります。また、調査する場所によっては身分証明書や取材料が必要になるため、前もって確認しておくとよいでしょう。
調べたい場所
現地調査で調べたいこと、知りたいことによって調査の対象となる場所は変わります。先祖に関する情報の宝庫とも言える現地で調査していても、調査場所を移動する可能性があることも視野に入れておきましょう。
<本家>
本家というと昔の習わしのように思われがちですが、地方では現在もなお本家を重んじる習慣が残っており、先祖についての書物や資料が蔵や物置の奥深くに眠っている可能性があります。そうした資料を閲覧できれば、ルーツ探しの旅が一気に進むはずです。また、家に受け継がれている伝承や重要な出来事について、聞き込み調査も行いましょう。
<図書館>
先ほども述べたように、地方にある図書館は郷土誌や藩政史を調べるのに適しています。できるだけ多くの情報を持ち帰れるよう、必ず訪れておきましょう。
<お寺・神社・お墓>
お寺・神社・お墓では、本家または先祖の信仰や習わしについて調べられる可能性があります。特にお寺は、江戸時代において役所のような役割を担っていたため、江戸時代の先祖の情報を得る場所として最適です。住職に話を聞いたり過去帳などの資料を閲覧したりして、情報を集めましょう。ただし、過去帳を閲覧できるかどうかは住職の判断によるため、必ずしも調べられるとは限りません。一方、神社には寺請制度のようなものはなかったため、情報量としては少し物足りないかもしれません。その土地の歴史や信仰を知るための場所と考えておきましょう。
また、お寺を調査する際はお墓も併せて調べてみましょう。お墓には戒名・俗名・没年などの先祖に関する情報が刻まれており、建てられている位置が身分を示していることもあります。まれではありますが、江戸時代に建てられたお墓が残っている場合は、自分の家系が裕福な家柄・武家だった可能性も考えられます。墓石はもちろん、墓地全体の写真も撮り、可能であれば墓地図も作成しましょう。
<郷土資料館>
図書館と同じく、現地の郷土資料館にはその土地の歴史や藩政、武家に関する資料が多く所蔵されています。一般に公開されていることから足を運びやすく、全国どこの土地にもあるのが魅力です。また、郷土資料館には歴史的に貴重な文献の他にも、古い時代の生活用具や衣類、模型も展示されています。土地の元名主や旧家が所有していた史料、古文書、人別帳などが保管されている場合もあるため、閲覧できるかどうか聞いてみましょう。
郷土資料館を訪れた際に、運がよければ資料館の職員や館長からさまざまなエピソードを聞くことができるかもしれません。
名字から調べる方法
先祖の職業や身分を知りたいときには、名字から調べる方法も有効です。予測的な方法ではありますが、調べたことが歴史的に重要な士族や大名につながっている可能性もあります。
旧土地台帳を活用する
旧土地台帳とは、明治時代中期からの土地登記を記録した帳簿です。旧土地台帳からは、土地を使用した目的や登記年月日、所有者の変遷、広さ・地価、抵当の有無などが確認でき、調べることで先祖に関する知見を深めることができます。旧土地台帳はそれぞれの土地を管轄する法務局で保管されており、郵送でも取り寄せも可能です。誰でも無料で閲覧できるため、積極的に活用しましょう。
電話帳を活用する
ハローページなどの電話帳には、市町村もしくは全国単位で世帯主の名前や連絡先が載っています。自分の名字の分布状況を調べることで、一族がどのように移住していったのか、一族の起源はどこか、ある程度推測できるでしょう。また、文献や現地調査でわかった土地の歴史と照らし合わせることで、名字の由来が土地を治めていた大名や武士、名主にあることが判明するかもしれません。
地名辞典を活用する
角川日本地名大辞典や日本歴史地名体系などの地名辞典を活用することで、先祖が住んでいた土地の歴史を調べることができます。農耕・漁業・鉱業など、その土地が何で発展したのかがわかれば、先祖の職業を解明できる可能性があるでしょう。
家紋を調べる方法
記事の前半でも述べた通り、家紋は名字調査と並行して行うことが大切です。明治・大正までは家制度が一族の規範となっていたため、家紋を作って個人や家族を識別していました。墓石や袴に家紋をあしらうことも多く、家系図も例外ではありません。家紋を調べることで家のルーツをたどれるのはもちろん、家系図を作成するうえでも貴重な情報の一つと言えます。
墓や仏壇を調べる方法
お墓や仏壇は先祖を象徴するものであることから、家紋が彫られていることもあります。特に本家にあるような大きな仏壇は、現地調査などの際にぜひ写真を撮っておきましょう。また、位牌(いはい)や袱紗(ふくさ)などの仏具・道具も確認してみてください。
袴(はかま)を調べる
成人式や結婚式などで使用した紋付き袴があれば、一族に伝わる家紋を調べることが可能です。袴が残っていない場合は、昔のアルバムや写真も見て、袴に家紋が入っていないか確認してみましょう。ただし、家紋の作成・使い方については自由であったため、1つの家に複数の家紋があるケースも少なくありません。また、女性の場合は実家の家紋を使っていたり、女紋と呼ばれる女系固有の家紋が伝わっていたりする可能性もあります。
本家に聞く
家紋を調べる際に、最も取りかかりやすい方法が両親や親戚、あるいは本家の人に聞いてみることです。家紋は家に関わるものに使われやすいため、案外簡単に判明するかもしれません。ただし、家紋の詳細な紋様まではわからなかったり、自分の家紋と本家の家紋が異なったりする場合もあるため、あくまで参考の一つと捉えましょう。
おすすめ家系図作成業者
家系図を自分で作ることで、自分をより深く知れたり先祖に感謝できたりと貴重な経験ができます。作り方によっては、一族の貴重な財産となる家系図ができるでしょう。
ただし、自分で家系図を作るには多くの時間と労力が必要になり、難しい作業が伴います。「家系図を作りたいけど時間をかけられない」「自分で作るのは困難だ」という方は、家系図作成の専門業者に依頼するのも一つの方法です。
ハッピーメモリーズでは、入念な戸籍調査や現地調査を行い、家族のストーリーが見える家系図を作成します。1つの名字に対し1つの家系図を作るため、他社よりも充実した内容の家系図に仕上げられます。家系図が完成した後も、専門家による分析や説明会などのアフターフォローを行なっているため、自分の家系について深い学びが得られるのも魅力です。
「自分のルーツが知りたい」「家族に未来へと残せるものを作りたい」といった場合には、ハッピーメモリーズで家系図作りを始めてみてはいかがでしょうか。